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心筋症と闘う広島男子と英国女子の記録

2015年4月に国の指定難病である「特発性拡張型心筋症」を発症。 大阪大学病院にて補助人工心臓(Heart MateⅡ)装着手術を受け、心臓移植待機者となる。 その間、発症からの心境を記したこのブログを開設する。 2016年には高校教師として社会復帰を果たし、現在は移植医療の啓発と闘病中に見つけた『人生で本当に大切なもの』を伝えるために広島を中心に介助者でもある英国女子のパートナーと共に活動中。

告白

心の記録

なんなんだ....この胸騒ぎは.. 手が少し冷たくなって、いつもより胸の鼓動が早い。

指をこすればうっすらと汗をかいている。心不全の症状か...いや違う。

 

今日、1年以上ぶりの授業だからか?

受け持つクラスは少人数で、前任校のクラスと比べれば圧倒的に少ない。教育実習でも、前任校の初授業でもほとんど緊張したこともないのに?

 

なぜ? 

今までと違うことを考えてみた。答えはすぐに見つかった。

それは、今日の初授業で自分の病状を伝える決心をしたこと。

 

私の病状、思いをクラスの子たちに伝える。そのことが今の私を緊張させていた。

自分の中ではすごくすごく大きなことだった。

話すべきなのか、話す必要すらあるのか、彼らはちゃんと聞いてくれるだろうか。。。

 

授業前に少し、自分が言いたいことを紙にまとめてみた。

拡張型心筋症、心臓移植、ベッドと車椅子の生活、除細動器、補助人工心臓... 退院、自宅療養、社会復帰、様々なキーワードが私の頭の中で線になっていく。すべて昨日のように鮮明に覚えている。

 

去年のカレンダーを見返す。

4月13日 エコー検査、心臓移植の話を受ける

4月16日 点滴は首から腕へ

4月21日 栄養指導

5月20日 除細動器埋め込み手術

6月18日 再入院.....    

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去年の自分と今の自分。

変わったのは体だけじゃないはず。失ったものだけじゃないはず。

 

意を決して立ち上がり、教室へ向かう。

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初めて入る教室と新鮮なクラスの雰囲気。

教卓の上にある出席簿。ああ、ここに帰ってきたんだ。

 

授業が始まるやいなや、「いつまでカバンぶら下げとん?なんでカバンいつも持ってるん?」とお決まりの質問を受ける。「まぁまぁ」となだめる。

 

アイスブレークとして他己紹介を実践。クラスの仲間、担任の先生の紹介をそれぞれしてもらう。生徒たちの笑顔、恥ずかしい顔、困った顔、久しぶり。

 

盛り上がった他己紹介を終えて、時計を見ると残り15分。ちょうどいい。

さぁ始めるか。レスリングの話、カナダの話、前任校の話。

そして、口からでは誰にも話したことのない去年の4月からの話。

 

自分自身、不思議なほど妙に落ち着いていた。

もっと感情的になるかと思っていたけど、ある意味、冷静に、淡々と話していた。教員としての性なのが、ここまで自分が整理できてきたのか。

 

他己紹介で盛り上がっていた教室はシーンと静まり返り、私の声だけが響いていた。

 

生徒たちの顔を恐る恐る見ると、みんな顔を上げて、まっすぐに私の目を見てくれていた。最初から最後まで私の声に耳を傾けてくれた。時よりうなずいてくれた。私の言葉以上に彼らは多くを感じとってくれていた。

 

病気になって、障害者になって、なんとも申し訳ない気持ちになって、社会のお荷物になったと自己嫌悪してた去年の自分。もう教壇に立つ事はおろか、社会復帰すら諦めていた。だけど、そんな私の話を彼らは一生懸命に聞いてくれた。難病と闘う私たちだからできることって実はいっぱいあるのかもしれない。

 

変わったのは体だけじゃないはず。失ったものだけじゃないはず。

そう、この辛い経験で心も変わった。失ったもの以上に多くを得た。

命とか愛とか家族とか仲間とか、今なら恥ずかしがらず心から本気で言える。

それをみんなに伝えたい。

 

何を話したかは、この場では省略する。

だけど、今日、生徒たちに話せて本当に良かった。

本気で聞いてくれた◯クラスの子たち、本当にありがとう。

そして、「うちのクラスなら大丈夫、ぜひ話してくれ」と励ましてくれた担任の先生、本当にありがとうございました。

 

 

いつも応援ありがとうございます!!

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